表側矯正
口ゴボの原因とは?歯列矯正で改善した5つの症例を解説!
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美しい横顔のバランスを測る基準として「Eライン」がありますが、口ゴボの場合、このEラインから口元が大きく出ている状態のことを言います。
特に審美的な観点から気になっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、歯列矯正によって口ゴボが改善した症例を5つに分類して解説します。
口ゴボが気になっている方の治療のヒントになれば幸いです。
【この記事の結論】
- 口ゴボは自分でチェックすることができる
- 口ゴボの原因が歯並びの場合は、矯正で治療することができる
- 症状によっては長い治療期間が必要になる場合もある
口ゴボ(くちごぼ)とは?
口ゴボとは、顔を横から見たときに口元が前に突出している状態を指します。
この状態は顔全体のバランスを崩し、Eライン(鼻先から顎先を結んだライン)から口元が前に出てしまうため、見た目が美しくないと感じる方が多いです。
口ゴボの原因
口ゴボの原因は大きく分けて「先天的要因」と「後天的要因」に分けられます。
先天的要因
先天的要因としては、遺伝や生まれつきの骨格の問題があります。
親から受け継いだ顔の形や顎の骨格が影響し、口元が突出しやすくなるのです。
例えば、顎が小さい場合や上顎が発達しすぎている場合などがこれに該当します。
後天的要因
後天的要因としては、生活習慣や癖の影響です。
口呼吸や長期間の指しゃぶり、爪を噛む癖、舌で前歯を押す癖などが原因で口元が前に出てしまうことがあります。
また、歯並びが悪い場合も、口ゴボの原因となります。
歯が大きすぎる場合や歯列が狭い場合、歯が前に押し出されることで口元が突出して見えるのです。
口ゴボを確かめる方法
口ゴボを自分で確認する簡単な方法として、ペンや定規を使う方法があります。
気になっている方は、以下の手順に従って自分の口元の状態をチェックしてみましょう。
ペンを使って口ゴボを確かめる手順
1.ペンを準備する
普通のペンを1本用意します。ペンの太さは標準的なもので問題ありません。
2.ペンを口に当てる
顔をまっすぐに保った状態で、ペンを鼻先から顎先に向けて、まっすぐに置きます。
3.Eラインとペンの位置を確認する
ペンが鼻先と顎先を結ぶとき、唇がペンに触れているか、触れていないかを確認します。
4.口ゴボの判定
唇がペンに触れている場合は、口ゴボの可能性があります。唇がペンに触れていない場合は、口ゴボではない可能性が高いです。
口ゴボが気になっている方は、自分はどういうふうな口ゴボなのかなというのを考えながら見てもらえると幸いです。
歯列矯正で改善した口ゴボの症例5パターン
①ガタガタ 口ゴボ
②オープンバイト 口ゴボ
③受け口(うけぐち)口ゴボ
④上の歯のみ 口ゴボ
⑤歯並びがいい 口ゴボ
①ガタガタ 口ゴボ
歯並びがガタガタしていて口元が出ているケースです。
まずはビフォーアフターを見てみましょう。
矯正前は、上の歯も下の歯もガタガタの歯並びでした。
鼻先と顎先を結んだEラインを見てみると、唇が出ているような状態です。
レントゲンを見ていくと、上の歯と下の歯が尖って倒れていて、そのせいで口元が出てしまっています。
【この症例の特徴】
- 上下とも歯の間に隙間が無いので、抜歯する必要がある
- 奥歯の噛み合わせは問題ない
- 下の歯よりも前歯のほうが出ていて段差がある
この方の場合は、両方とも裏側矯正です。まずは抜歯をして矯正装置を取り付けます。
分かりやすい上の歯を見ていきましょう。時間の経過とともにガタつきが取れていくのが分かります。
次に、隙間を埋めるために、上顎にアンカースクリューという装置を付けて引っ張っていきます。
すると口元がだんだんと下がってきます。ここからは横から歯の様子を見ていきましょう。
時間の経過とともに下がっていくのが分かります。
ただ、元々の奥歯が下の歯より上の歯の方が出ているケースだったので、口元を下げても上下の段差が取れるまでには時間がかかりました。
そして、最終的には綺麗に奥に入ってきます。仕上げて完成するとピッタリ収まっています。
奥に下がって口元が綺麗になりました。
【ガタガタ 口ゴボの矯正のポイント】
ガタガタの歯並びの場合、ガタつきを取っただけで、抜いた隙間はほとんど埋まってしまいます。
つまり、口ゴボを治すためには、隙間を埋めた後に更に奥に下げなければなりません。
逆に、抜歯をして矯正したのに口ゴボが治っていないというケースは、このガタガタを治した後にさらに奥に下げる必要があるのに、下げきれてない可能性があります。
今回のケースでは、上顎にアンカースクリューという装置を付けて、隙間が埋まった後にさらにこの歯並びを奥に下げるというテクニックを使っています。
美容外科の場合は、鼻と顎をもし出すとすると、①鼻に何かしらのオペレーション、②顎に何かしらオペレーション、というふうに2つやると思います。
歯科の方では口元を下げることによって、相対的に鼻と顎が出て、きれいなEラインのバランスが整うというわけです。
②オープンバイト 口ゴボ
前歯が噛んでいなくて開いている状態で、口元が出ているケースです。
ビフォーアフターはこちら。
横顔だと分かりづらいですが、正面から見ると矯正前はこのような状態です。
「バイト」とは「噛む」こと。つまりオープンバイトというのは、この噛み合わせる、バイトする部分がオープンしていることを言います。
【この症例の特徴】
- 口元が開いているので、噛ませながら口元を後ろに下げる必要がある
- 下の歯の並びはきれいなので、下は抜歯の必要はない
- 顎の位置に問題がある場合は、変化が若干少ない場合もある
こちらは治療前、横から見た状態です。
下の方はきれいに並んでいます。
倒れ方としては、ちょっと出ているけれど抜くほどではない。もしくは抜くと難しくなってしまうケースです。
レントゲンを見ると、実は奥歯自体が少し前に出ています。
奥歯自体が前に出ているので、両方抜いてしまうと奥歯の噛み合わせの関係性がずらせなくなってしまうため、本来的には「上だけ抜く」ということを考えます。
しかし、今回は口ゴボを何とか改善したいというご希望でしたので、非常に悩みましたが上下とも抜歯することにしました。
アンカースクリューを使って上の歯を奥に入れ、さらに下の歯も下げます。そうする事によって、上下の歯が内側に入ってきます。
横顔で確認すると、だんだんと口元が入っていきます。
途中からゴムも使ってサポートしながら、奥にしっかりと下げていきます。
最終的にはちゃんと下がってきていて、口元もだいぶ変わったかなと思います。
【オープンバイト 口ゴボの矯正のポイント】
噛み合わせが開いていて、口元が出ているケースが閉じると、ちゃんと噛むようになり、口元が出ているのも下がってきます。
この方の場合は、下顎が下がっている、もしくは上顎が出ているケースなので、奥に下げたとしても若干顎の出方は少ないのかなという気がします。
ただ、口ゴボの悩みは治っているので、非常にお喜びいただけたケースです。
僕ら矯正医が一般的にやっているのは、アンドリュー博士(Lawrence F. Andrews)によって提唱された「シックスキース」(正常咬合の6つの鍵)という概念を基に治療を行っています。
詳細は割愛しますが、ガタガタがないとか、ちゃんと噛んでいるとか、上の歯が下の歯にかぶさっているとか、いろいろな条件があり、その中で一番代表的なのは、「歯が山・谷で噛んでいること」なんです。
しかし実際、健康度を測ってみると関係ないんですよ。
歯と歯が、1歯対1歯咬合(山と山)で噛んだとしても健康には全く影響がないので、それでいいんじゃないかという先生も中にはいらっしゃいます。
だったら気にしなくていいんじゃないかと思われるかもしれませんが、そうすると矯正学ってゴールがなくなってしまって、何を指針にして治したら良いかわからないので、僕ら矯正医は国際的にみんなが認めているアンドリュー博士の考え方をベースに、各自の考え方で治しているというのが現状です。
ただ、「1歯対1歯咬合で噛んでるから健康に悪いんだ」「治さなきゃいけないんだ」という議論があったとしたら、それは考えなくて良いです。
健康に問題ないので、安心してください。
お父さんお母さん、もしくはおじいちゃんおばあちゃんが歯並びに少し改善点があるようなケースは、そのお子さんが同じように歯並びの改善点が必要なケースが多いと思います。
③受け口(うけぐち)口ゴボ
下の歯が出ているような口ゴボです。
まずはビフォーアフターをご覧ください。
受け口で口元をきれいにしたいというケースは外科手術になることが多いので、実は矯正の受け口 口ゴボの症例は少ないんです。
歯列矯正ではやはり、下顎自体が前に来ていると、いくら抜歯をしてもこの段差は治しにくいんですよ。
なので、外科を使わずに歯並びだけで治して、かつ口ゴボをきれいにするというのは割と少なくて、あまり僕も症例は持ってないのですが一例探しました。
【この症例の特徴】
- 下顎が出ていて、横から見た時に下の方の口元が出ている
- 歯並びはガタガタしているので、抜歯して矯正する
- 上の歯よりも下の歯をしっかり奥に下げる必要がある
まず、治療前の歯並びを見てみると、上も下もガタガタしていました。
この奥歯を見てみると結構下顎が出ていたので、歯を抜くだけで治せるか難しいケースでした。
上下とも抜歯をして、歯並びを直してきます。上の歯から見ていきましょう。
上は並べただけで、下よりも前にかぶさるように設計しています。
次に下の歯を見ていきます。下の歯の場合は、抜歯をしたら内側に倒して噛ませていきます。
奥歯と前歯で引っ張り合うようにして、前歯がとにかく奥に入るようにしながら隙間を埋めていきます。
最後に噛み合わせをきちんと作ってあげると、2年半ほどで噛んでくるケースになります。
骨格的にもきれいに仕上がりました。
【受け口 口ゴボの矯正のポイント】
受け口口ゴボの治し方の評価としては、どうしても顎自体で見ると、下顎のほうが上顎よりも出ている状態になります。
これはどういうことかというと、下の方の前歯の「立ち」が、大体日本人は90〜95度ぐらいがいいんじゃないというふうに言われるのですが、こちらの症例では倒し気味で仕上げていますから、90度よりも少し鋭角になっています。
こういうふうになってくるのが、受け口口ゴボの仕上がりの一番の特徴です。
骨格的には、完全に上と下の関係性のバランスを治せたわけではありません。
なので、きれいなEラインになっているんだけれど、どうしても下の方が若干出て見えるという感じは写真を見ても分かると思います。
④上の歯のみ 口ゴボ
上の歯だけ出ていて、結果的に口ゴボに見えてしまっているケースです。
ビフォーアフターはこちらです。
まず矯正前の歯並びを見ると、奥歯が前に来ています。
上の奥歯と下の奥歯の関係が、山と谷になっているのではなく、山と山になっていて、さらにこのケースはこの山がどちらかというと前方に来ています。
こういったケースは、上も下も抜歯してしまうと噛み合わせが改善できないので、上だけ抜く、下だけ抜く、というのを決める必要があります。
【この症例の特徴】
- 奥歯の噛み合わせが1対1になっている
- 噛み合わせを改善するために、上の歯か下の歯どちらかを抜歯する
- 歯のガタつきはほとんど無い
まず下の歯並びを見てみましょう。
歯の間に隙間が空いているのが分かりますが、ガタツキはほぼありません。
レントゲンで見てみましょう。
ここは最初の診断である程度予測をするのですが、下顎から下の歯の倒れ具合、この角度は90〜95度ぐらいがいいと言われています。
下の歯の隙間を閉じると中に入りますから、これが恐らく緑のらいぐらいまで立ち上がります。
すると奥歯の関係がそもそも下の歯より上の歯が出ているので、下が下がるということは、さらに上の歯と下の歯のギャップが出ることになります。
つまり両方抜いてしまうと、このギャップが改善されないということになるので、上だけを抜いた方がいいんじゃないかというケースです。
上の歯はガタつきが無く、下の歯もガタつきがありません。
ですが、少し上だけ出っ歯になっているというケース
上下に矯正装置を付けて、実は途中まで上の歯と下の歯で抜歯をどうしようか悩みました。
まずガタつきを取るために並べていきます。
そうすると、並べた時に口元が出ている状態だったので、これは抜歯して下げるべきケースだなと判断ができました。そこから抜歯をします。
アンカースクリューを使って、位置を調整しながら下げていきます。
口元が入ってきて、隙間が完全に埋まりました。下の方は抜いていないので並べた感じです。
すると最終的には、きちんと綺麗に上下とも噛むようになり、隙間もなくなりました。
まさに山と谷がちゃんと入ってると、向こうが透けて見えない。ちゃんと噛むことができます。
【上の歯のみ 口ゴボの矯正のポイント】
前歯を下げると同時に、歯の隙間を埋めて、さらに奥歯の噛み合わせも改善できたケースになります。
⑤歯並びがいい 口ゴボ
歯並びがいい口ゴボは、本人は「そんなに歯並び悪くないでしょ」と言われやすいケースです。
ビフォーアフターはこちら。
歯のガタつきはないんだけれども、上下とも少し歯が前に倒れてしまっています。
【この症例の特徴】
- 歯並びはガタガタしていないので、前からだと歯並びがきれいに見える
- 歯が倒れていて前に出ている
- 噛み合わせは安定している
治療前の状態を見てみましょう。上の歯と、下の歯です。
細かく見ると多少ガタつきはあったとしても、上も下も問題ないように見えます。
しかし、レントゲンでとってみると、下顎から下の歯が前に向かって出ているのが分かります。
上の歯もラインを引いてみると分かるように、完全に口元が出ています。
下顎から下の歯の角度は、90〜95度くらいがきれいだと言われていますが、実際の角度を見てみると、かなりの角度で倒れているのがわかると思います。
そして、上の歯と下の歯のラインが交わる角度は、120〜130度ぐらいがいいと言われていますが、これはほぼ90度に近いです。
つまり上も下も相当倒れているケースになります。
ただ、一般的に見てみると、前から見たときにそれほど歯並びが悪く見えないというのが特徴的です。
今まで矯正で治ると知らなかったけれど、矯正することによって口元が下がるということを知り矯正を始めた、ということがすごく多くなってきました。
なので一番最近のトレンドの口ゴボかもしれません。
噛み合わせを見ていくと安定しているので、一見すると何で矯正するの?と思われるかもしれません。
このケースの場合、上も下もしっかり抜歯してガタつきを取った後に、隙間を閉じて最後まで仕上げます。
これが仕上がりです。
【歯並びがいい 口ゴボの矯正のポイント】
口元が倒れている出っ歯というのは、引っ張ってあげると立ち上がってくるので、他の症例のようにアンカースクリューを入れなくても口元が下がってくるケースが結構あります。
ガタガタ系の出っ歯の場合、抜いた部分にガタガタが埋まってしまうと、その隙間がなくなってしまいます。
つまり、ガタガタを取るために抜いたスペースを使ってしまうのですが、こういうきれいな歯並びの口ゴボのケースというのは、抜いたスペースをそのまま下げることに使えます。
抜歯後のスペースの使い方が違うので、それによって結果的に大きく下がったように感じます。
口ゴボの矯正治療はワイヤー矯正一択
口ゴボを矯正で治す場合、抜歯をしてしっかり下げるというのが基本になります。
マウスピースでやっていらっしゃる本当に高度なスキルを持っている先生もいますが、やはり基本は「口元下げたい」なので、どうしても抜歯をした方が効果的なケースが多いです。
アンカースクリューを使い、かつ抜歯をするというと、そもそもマウスピースは向きません。
本当にうまくいくケースはいいと思いますが、ほとんどのケースでワイヤーの方が有利なんじゃないかなと思います。
今回ご紹介した症例で、ご自身の症状と似たものがあったり、矯正治療で何か気になっていることがある方は、アニバーサリーデンタルギンザにご相談ください。
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柴山 拓郎医師
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