表側矯正
【八重歯の矯正】具体的な治療の流れを症例と一緒に紹介します
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八重歯は見た目の問題だけでなく、食事や会話がしにくいなど、生活のあらゆる場面で影響を受けることがあります。
この記事では、八重歯についての基本的な情報と、実際の症例をもとにした治療の流れについてもご紹介します。
八重歯が気になっている方は、自分の歯並びと照らし合わせて確認してみてください。
【この記事の結論】
- 八重歯になる原因は遺伝的なこともある
- 八重歯は歯列矯正で治せる
- 歯列矯正では八重歯だけではなく噛み合わせを改善することもできる
八重歯とは
八重歯とは、歯が通常の歯列からはみ出して生えている状態を指します。
八重歯は特に犬歯(糸切り歯)が歯列から外れて生えることが多く、日本では女性の八重歯が「可愛い」とされることもありますが、実際には様々な問題を引き起こすことがあります。
八重歯が生じる主な原因
- 遺伝的要因
歯の大きさや顎の骨のサイズは遺伝に影響されます。もし親や兄弟に八重歯がある場合、自分にも八重歯ができる可能性が高くなります。 - 顎の成長不全
顎の成長が十分でない場合、歯が正しい位置に生えるためのスペースが不足します。その結果、歯が重なり合って八重歯になることがあります。 - 乳歯の早期喪失
乳歯が早く抜けてしまうと、そのスペースに永久歯がうまく収まらず、八重歯になることがあります。
八重歯が与える影響
まず、見た目の問題として、笑ったときや話したときに目立ち、コンプレックスを感じることが多いです。
さらに、機能面でも問題を引き起こすことがあります。
例えば、八重歯が原因で正しい噛み合わせができず、食事中に不便を感じたり、発音が不明瞭になることがあります。
また、歯が重なり合っているため、歯ブラシが届きにくく磨き残しが生じやすくなり、その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。
八重歯の歯列矯正
それでは早速、治療前の歯並びを確認していきましょう。
上の歯の左右3番目、そして下の歯も左右の3番目、合計で4本の八重歯があります。
矯正は患者さまのご希望により、上下とも表側矯正で治すことになりました。
表側矯正は、裏側よりも歯並びのガタつきをとるスピードが早く、今回は表側で行きたいケースだったので、お客様の希望と合致して非常に良かったと思います。
治療期間の目安としては2年〜2年半のケースです。
まずは、正面。誰が見ても分かるくらいガタガタしています。
次に、下から。前歯はしっかり噛んでいることが分かりますが、八重歯が浮いてしまっています。
上の歯の歯並び(アーチ)を見てみましょう。隙間なく歯が並んでいます。
隙間がないので、八重歯を中に入れるためには、4番目を抜く必要があります。
僕ら審美の専門としては、「インサイザルショウイング」という見せ方を重視しています。
「インサイザル」とは前歯のことなのですが、この前歯の左から3番2番1番、1番2番3番の部分、ここの見え方というのが非常に重要になってくるんです。
これが1番2番4番だと見え方が少しかっこ悪いというか、1番2番3番で並ぶほうがはるかにきれいに見えます。
なので3番目の八重歯を抜くことはせずに、やはり4番目を抜いて並べた方が仕上がりが美しくなります。
上の歯は、1番2番3番を残して4番を抜き、この抜いた部分に八重歯が入ってくることになります。
次は下の歯を見ていきましょう。
下の歯もアーチの中に歯を入れようとすると、歯を抜かないと並びません。
歯を抜かないで矯正したいと思われるかもしれませんが、そうすると歯が入るサイズをオーバーしているので、歯が前に倒れて出っ歯になってしまいます。
それは困るので、歯がきちんと並ぶ場所を確保するために、抜歯をする必要があるんです。
次に奥歯の噛み合わせを見ていきます。
右側の歯は噛み合わせが1対2になっていて、山と谷で噛んでいます。つまり、これは結構いい嚙み合わせなんですね。
いい嚙み合わせで上の方を抜く場合、下の歯も抜いてあげないとちゃんと嚙みません。
なので右に関しては上1本、下1本、合計2本抜いて並べましょう、となります。
しかしここで大変なのは左側。
右側は山と谷になっていて1対2で噛んでるいい嚙み合わせでしたが、左側の方に関しては、1対1で噛んでいます。
つまりこれは、治したほうがいい噛み合わせということです。
なので本来的には、上だけを1本抜くようにしないと、ずれた噛み合わせは治らないのですが、左側の上1本、下0本で治るほど中途半端なガタつきじゃありません。
悩んだ結果、致し方なく、左に関しては上下1本ずつ抜いて並び終わった後、これを1対2にするために奥に引っ張ってあげることにしました。
矯正の動きの流れとしては、まず抜歯をして歯を並べ終わった後、口元が1回前にふれます。
それを結構な時間をかけて後ろに下げていきます。
どうなってるか見ていきましょう。
口元に関してはガタガタしてる印象で、あんまり出ている感じはありません。
今回の症例は他にも課題が見つかったのですが、レントゲンを見るとはっきりとそれが分かります。
これはパノラマレントゲンと言ってお顔を横に撮っているため、画像の左側が右の歯、右側が左の歯になります。
見てもらうと、左の6番目、7番目、8番目と歯が倒れているのが分かります。
せっかく矯正するなら、この歯を起こしてあげたいので、この部分に関しては特殊な方法で親知らずである8番目を抜いてあげて、7番目を起こして奥で噛ませる。そんなことを同時並行で進めました。
あともう1点、上の歯にも親知らずがあります。8番目にあるのが親知らずです。
ガチャガチャ出っ歯を直した後に奥に下げる時、この親知らずを抜いてあげることにより、ここにスペースを作って奥にぐっと入れるという、そういうテクニックを使います。
なので、その時までは親知らずを保存しておいて、タイミングのいい時期に抜いていきます。
親知らずを抜いた後は、しっかり奥に下げるためにアンカースクリューというチタンでできたピンを入れて、この装置ごと奥に引っ張ります。
するとこの歯並び全体が奥に行くので、口元の出っ歯が治ってくるわけです。
今回の症例は、このような治療計画を立てました。
それでは、実際の歯の動きを見てみましょう。期間を少しスキップしてご紹介します。
まずは上の歯です。
最初に抜歯をして矯正装置をつけました。
最初に計画した通り、4番を抜いたスペースに八重歯の3番が入った瞬間に、隙間がほぼ無い感じで埋まりました。
7月は装置の位置を変えて少し微調整します。
10月になりアンカースクリューを取り付け、その上に矯正装置の補助装置をつけます。
この線で囲ってあるところは全部固定してありますから、囲われた部分全部が奥に入ることによって口元は下がってきます。
横顔の写真で確認していきましょう。
歯並びを揃えるだけで一回前に触れるので、これだけ出てしまいます。
奥歯の噛み合わせを考慮して、前歯から奥歯ごと全部を奥に引っ張ってきます。
10月から始めて、少し飛ばしながら進めます。
噛み合わせも見ていきましょう。
最終的にここまで治りました。
実際にかかった期間としては、スタートが10月26日、装置が外れたのが1月21日なので、2年と3ヶ月です。
目安として2年〜2年半で終わらせる計画だったので、治療期間内にしっかり終わりました。
下の歯に関しての課題というのは、6番目、7番目、8番目が寝てしまっていて、7番目を起こしてあげるというのがポイントと、もう一つは、ガタガタを取ってあげる。この2つのポイントがありました。
そこを、最後に見ていきましょう。
10月の時点で抜歯をしました。
3月の時点で親知らずを抜き、針金が太くなるに従って、奥歯が見えてきます。
6月です。このようにして、親知らずを手前に持ってきてあげます。
7月29日にはかなり整った感じになりました。
ここから先は1年以上ほぼ同じような状態です。
正面のビフォーアフターを見ると、しっかり変化が分かります。患者さまにも非常に喜んでもらえたかなという感じです。
次に上の歯です。上に関してもバッチリ治りました。
下も治っていますね。
奥歯の噛み合わせも見てみましょう。
嚙み合わせが完全にずれていたところが、治療後にはしっかりと山と谷で噛んでいます。
八重歯を抜かずに見た目を美しく整える矯正治療
八重歯やガチャガチャの出っ歯を治すとき、コツはパズルのように上手くはめ込んでいくこと。
抜いた場所にどういう風に動くか、こう動いたらこうするという予測が大事で、これは経験やテクニックが重要になってきます。
アニバーサリーデンタルギンザは、3,000以上の症例によって裏付けられた治療メソッドを提供しています。
八重歯が気になっている方、歯列矯正に不安がある方は、ぜひ当院のカウンセリングにお越しください。
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この記事を監修した医師
アニバーサリーデンタルギンザ
医療法人社団フェイス会 理事長
柴山 拓郎医師
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