表側矯正
歯列矯正後に後戻りする理由とは？防ぐ方法と再治療について解説！
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矯正治療で苦労して手に入れた美しい歯並び。せっかくなら、ずっと維持したいですよね。
しかし、矯正治療後には後戻りのリスクが存在します。
この記事では、矯正治療後の後戻りの原因と対策について詳しく解説します。
【この記事の結論】
- 矯正後の後戻りは人体の習性として自然なこと
- 後戻りを防ぐためにリテーナーを使用する
- 多少 後戻りしてしまってもマウスピース矯正で戻せる
目次
矯正後の後戻りとは？
矯正治療後の後戻りとは、矯正治療で整えた歯並びが、治療後に元の状態に戻ってしまうことを指します。
後戻りの程度は様々で、軽度なものであれば目立たない場合もあります。
しかし、重度な後戻りになると、歯並びが大きく乱れたり、顎の痛みや口を開閉しづらくなるなどの症状が現れたりする可能性もあります。
矯正治療後の歯の動き
矯正治療では、歯を新しい位置に移動させるために、矯正装置やワイヤーを使用します。
しかし、治療が終了した後でも、歯は元の位置に戻ろうとする力が働きます。
これは歯を支える骨や組織が新しい位置に完全に安定するまで、時間がかかるためです。
例えば、たまに体温が上がっても、必ず平熱まで下がりますよね。髪の毛も抜ければ生えてきます。
大体いつも同じ状態にしたいというのが、身体には備わっているんです。
矯正ももちろん例外ではありません。
歯というのは、基本的には安定した位置に並べない限りはグラグラしてきてしまうんです。
ただ、「安定した位置」というのは、そう簡単なことではありません。
矯正治療で適切な位置に並べたとしても、身体がそれを完全に受け入れて周りの組織が適合するということは無いんです。
つまり、何かしらの力で押さえなければ、元に戻りたがる力が働くということです。
矯正治療では、歯を動かして、何ヶ月か何年かすると、その位置で歯の根っこの周りにある骨や組織が固まってきます。
そのため、一応後戻りが防止できるという話はありますが、やはり個人差は出てきます。
矯正後の後戻りがおきた症例
こちらの症例は、3番目の八重歯が気になっていて、全体的なガタつきも治したいということで矯正治療をスタートしました。
上の歯、下の歯ともに、歯並びにガタつきがある状態です。
上下とも裏側矯正で、抜歯をして装置を付けました。
その結果、約2年の治療期間を経て、きれいな歯並びに整いました。
リテーナーとは、矯正治療後に歯並びを安定させ、後戻りを防ぐための装置です。
ここで見ていただきたいのですが、この段階では3番目と4番目の間に隙間は開いていません。
一回マウスピースで微調整もしながら、ワイヤーリテーナーという針金をセットしました。
ワイヤーリテーナーは、歯の裏側にワイヤーを固定したもので、目立たないですが、取り外しできないリテーナーです。
これはセットしてから3ヶ月後のお写真なのですが、左上の3番目、4番目に若干隙間が開いてしまっています。
リテーナーとしてセットしているこの針金は「マルチストランドワイヤー」といって、複数の細いワイヤーを束ねて作られているため、柔軟性が高いのが特徴です。
歯をグッと噛んだ時にワイヤーに柔軟性が無いと、この針金とこの歯の間の接着剤が外れてしまうので、硬いワイヤーではなく、しなるワイヤーを使っています。
普段は力が加わっていなければ、このまま維持されるのですが、戻りたがる力が働くと、歯の隙間が開いてきてしまうんです。
ただ、注目していただきたいのが、右側は隙間が開いていません。
この段階では左側だけだったので、少し様子を見てみることにしたのですが、時間が経つにつれてだんだん開いてきてしまいます。
更に2ヶ月経つと、これくらい開いている状態です。相変わらず右側は開いていません。
これは放っておけないということで、一度ワイヤーを外して、そこからマウスピースで締め直しました。
今も引き続きマウスピースで様子を見ています。
リテーナーには限界があり、固定したとしても動く人は動きます。
マウスピースをすれば大丈夫ですが、これから何年マウスピースをつければよいの？という話になりますよね。
一般的には矯正した期間と同じ1年半から2年ぐらいと言われていますが、実際はその後でも動くことはあります。
歯周病になったり、嚙み合わせの関係で力が加わったりして、人の歯というのは一生かけて、何にも矯正していない人でも必ず動いていきます。
ですので結論、リテイニングは一生ものと考えてください。
ただ、それだと大変ですよね。当院の場合はどうしているのかというと、まずワイヤーリテーナーの場合は固定して様子を見ます。
ずっとつけっぱなしで、飽きるまでつけてほしい。外してしまうと、4年かけてきれいに歯並びを治したのに、ワイヤーリテーナーを外した瞬間に戻る人もいなくないです。
歯列矯正をしていなくても歯が動いた症例
この方を僕が初めて診療室で診たのは2014年9月30日でした。
もちろん歯の隙間は開いていません。
虫歯や被せ物などの治療をしている患者さんです。
2014年から様子を見て、2016年、2017年。変わっていません。
2019年になって、なんとなく上の前歯の隙間が空いてきたような気はするけれど、写真では分からない程度です。2020年は変化はありません。
しかし、2021年になり、上の前歯に少し隙間が見られるようになりました。
この方は、この間何も治療はしていません。2019年に虫歯を治して、綺麗なセラミックにした後から治療してないんです。
そこから2021年8月になると、明らかに隙間が開いてきました。
少し気にかけながら、戻る可能性もあるので様子を見ていくと、2022年にはもっと開いてきました。
そして2023年、はっきり分かるくらいの隙間ができました。
そこから数ヶ月様子を見て、もう自然に閉じていくことは無いだろうと判断して、マウスピース矯正を始めました。
2023年11月8日にマウスピース矯正を始めて、11月28日には隙間が閉じています。
1月19日には完全に隙間が無くなりました。マウスピース矯正を始めて2〜3ヶ月くらいです。
矯正治療の後戻り防止のリテーナーは、1年半から2年というのは一つのラインではありますが、やっぱり動く人は動いてしまいます。
その期間が過ぎたら終わりというわけではなく、ちゃんと矯正治療が終わった後も検診に通ってください。
軽度で開いているケース、少しだけ後戻りしたケースなどは、マウスピースで元に戻るので、コストを抑えられます。
歯列矯正が終わっても後戻りしないためのリテーナーと検診は続けましょう
今回症例でご覧いただいたように、人の歯というのは動くものです。
きれいな状態を保つためには工夫が必要です。
ご自身が通った矯正の先生などのお力によって、きれいで健康な状態を保ってください。
矯正の後戻りでお悩みの方、もしくはまだ矯正治療の前段階で後戻りが気になっている方は、アニバーサリーデンタルギンザにご相談ください。
当院では、3,000以上の症例によって裏付けられた治療メソッドを提供しています。
歯列矯正に不安がある方は、ぜひ当院のカウンセリングにお越しください。
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この記事を監修した医師
アニバーサリーデンタルギンザ
医療法人社団フェイス会 理事長
柴山 拓郎医師
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