抜歯
出っ歯・口ゴボを矯正で治す方法|抜歯後の隙間が閉じる期間も解説
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出っ歯・口ゴボとは何か?矯正で治せる症状を正しく理解する

口ゴボとは、上下の口元全体が前方に突出して見える状態のことで、医学的には「上顎前突(出っ歯)」「上下顎前突」と呼ばれます。歯並びが原因の場合は矯正治療で改善できますが、骨格が大きく関係する場合は外科的処置が必要なこともあります。
「横顔が気になる」「口が自然に閉じられない」「笑うときに口元を隠してしまう」——そんな悩みを抱えている方の多くが、出っ歯・口ゴボという症状を抱えています。しかし、この症状は一口に「口が出ている」と言っても、その原因はさまざまです。まずは自分の症状がどのタイプなのかを正しく理解することが、適切な治療への第一歩となります。
口ゴボ・出っ歯の原因——歯並び由来と骨格由来の違い
口ゴボ・出っ歯の原因は、大きく「歯並び性(歯槽性)」と「骨格性」の2種類に分けられます。
歯並び性の口ゴボは、前歯の傾きや生え方の問題が主な原因です。幼少期の指しゃぶり、舌で前歯を押す「舌癖」、口呼吸といった習慣が長期にわたって続くことで、徐々に前歯が前方へ傾き、口元が突出して見えるようになります。このタイプは歯列矯正で改善できる可能性が高いため、矯正治療が有効な選択肢となります。
一方、骨格性の口ゴボは、上顎の骨格そのものが前方に位置していたり、下顎の骨が後退していたりすることが原因です。骨格のズレが大きい場合は、歯を動かすだけでは限界があり、顎の骨を切る「外科矯正」が必要になることがあります。ただし近年は、後述するアンカースクリューの活用によって、外科矯正を回避できるケースが増えてきています。
「歯並びはきれいなのに口ゴボ」はなぜ起きるのか
「歯並びはきれいと言われるのに、なぜか口元が出ている」——こうした悩みを持つ方も少なくありません。これは「歯槽性上顎前突」と呼ばれる状態で、歯そのものの並びは整っていても、前歯の傾きの角度が問題となっているケースです。
個々の歯が真っ直ぐ並んでいるように見えても、歯全体が前方に向かって傾いている場合、唇が前方へ押し出されて口ゴボのように見えます。「歯並びは悪くないはずなのに…」と自己判断して放置してしまうと、かみ合わせや口腔環境の悪化を招く可能性があります。まずは専門医による精密な検査と診断を受けることが大切です。
Eラインと横顔の関係——正しい評価指標を知る
口ゴボかどうかを判断する基準としてよく耳にするのが「Eライン」です。Eラインとは、鼻の先端と顎の先端を結んだ直線のことで、1950年代にアメリカの矯正歯科医であるリケッツ先生が提唱しました。一般的に、このラインに対して上下の唇が重なるか内側に収まっている状態が「理想的な横顔」とされています。
しかし、注意が必要なのはEラインがもともと欧米人の骨格を基準に設計された指標だという点です。日本人の平均的な骨格では、唇がEラインよりも前方に位置することは珍しくありません。Eラインだけを根拠に「自分は口ゴボだ」と断定するのは早計です。
実際の診療現場では、Eラインに加えて、鼻と上唇の角度(ナソラビアルアングル)や顔の縦の比率(バーティカルプロポーション)なども組み合わせて総合的に評価します。自己判断で悩むよりも、まずは矯正専門医に診てもらうことで、自分の状態を正確に把握することができます。
出っ歯・口ゴボを矯正で治す3つのアプローチ

出っ歯・口ゴボを矯正で治す主な方法は、ワイヤー矯正(表側・裏側)、マウスピース矯正、外科矯正の3つです。口ゴボのような前歯を大きく引っ込める治療には、力のコントロールが精密なワイヤー矯正(特に裏側矯正)が適している場合が多いです。
それぞれの治療法には特性と適応範囲があり、症状の程度や生活スタイル、仕上がりへの希望によって最適な選択肢は異なります。ここでは3つのアプローチの特徴と、口ゴボ・出っ歯の治療においてどれが有効かを解説します。
ワイヤー矯正(裏側矯正)が出っ歯・口ゴボに優れている理由
ワイヤー矯正の中でも、裏側矯正(舌側矯正)は出っ歯・口ゴボの治療において特に優れた選択肢です。歯の裏側に装置を装着するため、外から見えることなく矯正を進められる点が大きな特徴ですが、それだけではありません。
裏側矯正は前歯を後方へ引き込む力の伝達が効率的で、出っ歯や口ゴボのように前歯を大きく奥へ動かしたい症例との相性が非常によいとされています。また、装置が歯の裏側にあることで舌が前歯を前方へ押す「舌癖」が自然と抑制され、治療後の後戻りリスクが低下するというメリットもあります。
当院アニバーサリーデンタルギンザでは、ドイツ製の「WINシステム」を採用しています。WINシステムは一つひとつの歯の形状に合わせて完全オーダーメイドで作製されるため、精密な歯の移動が可能です。ヨーロッパでトップシェアを誇り、世界60カ国以上で使われているこの装置は、出っ歯・口ゴボのような前歯を大きく引き込む症例に対して、確かな効果を発揮します。
マウスピース矯正の適用範囲と限界——口ゴボ治療での注意点
マウスピース矯正は透明で目立ちにくく、自分で取り外しができる手軽さから近年人気が高まっています。軽度から中度の歯並びの乱れを整えるケースでは有効な選択肢の一つです。
ただし、出っ歯・口ゴボの治療においては慎重な判断が必要です。口ゴボの改善には前歯を後方へ大きく引き込む力のコントロールが求められますが、マウスピース型の装置はこうした複雑な歯の移動の管理が難しい側面があります。歯並びが揃っているように見えても、前歯の傾きや奥歯のかみ合わせまで含めて精密にコントロールするには、ワイヤー矯正の方が適していると判断されるケースが多いです。
治療方法を選ぶ際は、見た目の手軽さだけで判断するのではなく、自分の症状に合っているかどうかを専門医と十分に話し合うことが大切です。
外科矯正が必要になるケースとは
骨格性の口ゴボで骨のズレが大きい場合は、歯だけを動かす矯正治療では限界があり、顎の骨を切って位置を変える「外科矯正(顎矯正手術)」が必要になることがあります。外科矯正は入院や全身麻酔を伴う大掛かりな処置であるため、患者様にとって身体的・精神的な負担が大きい治療です。
しかし近年は、アンカースクリューと呼ばれる矯正用の小型インプラントの活用によって、従来は外科矯正が必要とされていた症例でも、手術を回避できるケースが増えています。外科矯正のボーダーラインに位置する症例では、アンカースクリューを使った矯正治療で十分な改善が得られる可能性があります。まずは専門医への相談で、外科手術なしで治療が可能かどうかを確認することをおすすめします。
出っ歯・口ゴボの矯正では「抜歯」が必要になることが多い理由

口ゴボ・出っ歯の矯正治療では、前歯を大幅に後方へ引き込むスペースを確保するため、前から4〜5番目の小臼歯を抜歯するケースが多くあります。小臼歯を1本抜くことで5〜7mm程度のスペースができ、そこに前歯を引き込む形で治療を進めます。
口ゴボや出っ歯の改善には、前歯を数ミリ単位で奥へ引き込む必要があります。しかし、歯列にそのためのスペースがなければ、いくら力をかけても歯は動きません。そこで多くの場合、前歯と奥歯の中間にある小臼歯(4番目または5番目の歯)を抜いてスペースを確保するという方法が選ばれます。
抜歯しないと口ゴボは治らないのか——非抜歯矯正との違い
「歯を抜くのが怖い」「できるだけ抜歯したくない」という気持ちは自然なことです。実際に、軽度の口ゴボや出っ歯で前歯をそれほど大きく引き込まなくてよいケースでは、非抜歯矯正で対応できる場合もあります。奥歯を後方へ送るディスタライゼーションや、歯を少しずつ削って隙間を作るストリッピングといった方法で、抜歯なしにスペースを作り出せることがあるためです。
ただし、前歯を5mm以上引き込む必要がある中〜重度の口ゴボでは、こうした方法では十分なスペースを確保するのが難しく、抜歯が治療の現実的な選択肢となります。「抜歯するかどうか」は症状の程度と治療目標によって決まるものであり、専門医が精密検査を行ったうえで判断するものです。
抜歯後に起きること——前歯と奥歯が「引っ張り合う」問題

抜歯でできたスペースを使って前歯を奥に引き込もうとすると、前歯が後方へ動くと同時に、奥歯も前方へ引っ張られてしまうという問題が生じます。これは矯正の基本原理から来るもので、「差動矯正」と呼ばれる現象です。
歯には根っこの表面を覆う「歯根膜」という膜があり、その面積が大きいほど歯を動かす力が強くなります。つまり、根っこの太い(歯根膜面積の大きい)歯と細い歯が引っ張り合うと、太い歯の方が強い力を持つため、細い歯の方が大きく動いてしまいます。
上顎の場合、前歯だけでなく奥歯もともと根っこが太く、歯根膜面積が大きいため、前歯を後方へ引き込もうとすると奥歯も前方へ出てきてしまい、なかなか前歯だけを思い通りに動かせないという難しさがあります。
この問題を解決するのがアンカースクリュー——固定源を骨に求める

前歯と奥歯が引っ張り合う問題を解決するのが、アンカースクリューです。顎の骨に小さなネジを埋め込み、そのネジを固定源にして前歯を引き込む力をかけることで、奥歯を一切動かすことなく前歯だけを後方へ引き込むことができます。
骨は歯と違い、引っ張っても動きません。そのため「固定源を歯から骨へ変える」ことで、従来の矯正では難しかった「前歯だけを大きく引き込む」という動きが可能になるのです。
このアンカースクリューを使うことで、口ゴボ・出っ歯の治療における精度と効率が大きく向上します。奥歯が前に動いてしまうロスがなくなり、抜歯で確保したスペースをすべて前歯の後退に使えるようになるため、仕上がりの質も上がります。
アンカースクリューとは何か——矯正における役割と誤解
アンカースクリューとは、矯正治療中に顎の骨に埋め込む小さなチタン製のネジのことです。骨を固定源として利用することで、動かしたい歯だけをピンポイントに動かせるようになります。治療終了後は取り外す一時的な装置です。
「アンカースクリューを使えば早く治る」「アンカースクリューがあれば何でもできる」——インターネット上にはこうした情報が溢れていますが、これらは正確ではありません。アンカースクリューの本質を正しく理解することで、治療への不安を減らし、担当医との認識のズレをなくすことができます。
「アンカースクリューを使えば必ず治る」は誤解——道具にすぎない

アンカースクリューはあくまでも固定源を増すための道具の一つです。これを使うことで矯正のスピードが自動的に上がったり、どんな症例でも必ず治ったりするわけではありません。
分かりやすい例えで考えてみましょう。近年、振動する機能を持つ包丁が話題になっています。振動によってトマトがすーっと切れるというものですが、だからといってその包丁を使えば誰でも美しい刺身が切れるわけではありません。包丁の扱いに長けた人が使うからこそ、その機能が活きるのです。
アンカースクリューも同じです。固定源を骨に変えるという役割を果たしますが、それをどのように使うか、どの歯にどの方向から力をかけるか、どんな装置と組み合わせるかという治療設計の精度が、最終的な仕上がりを左右します。アンカースクリューを使っていても、設計や力のかけ方が適切でなければ思い通りの結果は得られません。
大切なのは「アンカースクリューを使っているかどうか」ではなく、「そのアンカースクリューをどう活用しているか」です。
アンカースクリューはどこに打つのか——口ゴボ・出っ歯の場合

アンカースクリューを打つ場所は、治したい症状と動かしたい歯によって変わります。出っ歯・口ゴボの治療で最も多く使われるのが上顎型、すなわち上顎の骨(口蓋付近)への埋入です。
上顎の口蓋付近の骨は非常に硬く、アンカースクリューが脱落しにくい場所として知られています。歯の周りの骨は歯が存在するために作られた骨であるため、歯がなくなると吸収されてしまうほど弱いものです。しかし口蓋の中央付近は構造的に強固であり、ここに埋め込んだアンカースクリューは矯正期間中に安定して固定源としての役割を果たします。
口ゴボ・出っ歯の治療では、この上顎のアンカースクリューに「SHUライダー」と呼ばれる装置を組み合わせることがあります。アンカースクリューから奥歯へ力を伝え、奥歯を動かないようにロックしながら前歯だけを後方へ引き込む仕組みです。こうすることで、抜歯で確保したスペースをすべて前歯の後退のために使うことができます。
アンカースクリューは全クリニックで使えるわけではない
「アンカースクリューを提案されたので、近くのクリニックに相談しに行った」——そのクリニックでアンカースクリューを扱っていなかった、という話は少なくありません。
矯正を専門とする医師の中には、虫歯の治療も削らない、麻酔もしないという方針の先生が一定数います。これは矯正歯科のプライドとも言えるもので、矯正に特化しているからこそ他の処置に関与しないという考え方です。アンカースクリューの埋入は局所麻酔を使う小手術であるため、こうした方針の矯正専門医のクリニックでは対応していないケースがあります。
また、外科処置に慣れていない先生の場合、技術的に難しいと感じてアンカースクリューを避けることもあります。
アニバーサリーデンタルギンザの柴山院長は、慶應義塾大学医学部歯科口腔外科出身であり、口腔外科・麻酔科のバックグラウンドを持っています。研修医時代には全身麻酔を150件担当するなど、外科処置を得意としてきた経歴があります。矯正治療と外科処置の両方に精通しているからこそ、アンカースクリューを含む総合的な矯正治療を一つのクリニックで完結させることが可能です。
抜歯後の隙間はいつ閉じる?期間の目安を実際の症例で解説

矯正で抜歯した後の隙間が閉じるまでの期間は、個人差はありますが目安として約1年程度です。1ヶ月あたり0.8〜1mm程度の移動ペースで進み、年齢・喫煙・歯の動きやすさによっても大きく変わります。
「抜歯してからどれくらいで隙間が埋まるの?」「アンカースクリューを入れてからすぐ閉じ始めるの?」——こうした疑問を持つ患者様は非常に多くいらっしゃいます。矯正治療の期間は症例によって大きく異なりますが、治療の流れと目安を理解しておくことで、長い治療期間を安心して過ごすことができます。
矯正治療の3ステップ——レベリング・スペースクローズ・リテーニング

矯正治療は大きく3つのステップに分けて進んでいきます。
まず最初のステップが「レベリング」です。ガタガタした歯並びを揃え、すべての歯をワイヤー上に整列させる工程です。細いワイヤーから始めて徐々に太くし、歯を並べていきます。この工程にかかる期間の目安はおよそ半年です。
次のステップが「スペースクローズ」です。抜歯で確保したスペースを閉じながら、前歯を後方へ引き込んでいく工程です。口ゴボ・出っ歯の治療ではこの工程が最も重要で、アンカースクリューが活躍するのもこの段階です。目安はおよそ1年ですが、移動距離や個人の歯の動きやすさによって変わります。
最後のステップが「リテーニング(フィニッシング)」です。上の歯と下の歯のかみ合わせを細かく調整し、仕上げていく工程です。エラスティック(顎間ゴム)を使いながら理想的なかみ合わせに近づけていきます。目安はおよそ半年です。
これらを合計するとおよそ2年間というのが一般的な矯正治療期間の目安ですが、あくまでざっくりとした数字です。実際には個人差や症例の難易度によって1年半で終わるケースもあれば、2年半以上かかるケースもあります。
アンカースクリューを入れるタイミングはいつ?

アンカースクリューは矯正開始直後から使うわけではありません。柴山院長の経験上、アンカースクリューを埋入するタイミングは矯正開始から平均して約半年後であることが多いです。
なぜ最初から入れないのかというと、まずはレベリングでガタついた歯並びをある程度揃え、歯をワイヤー上に整列させてからでないと、スペースを閉じる準備が整わないためです。歯がバラバラな状態でアンカースクリューを入れても、効率的に力をかけることができません。
レベリングが完了し、歯が揃った段階ではじめてアンカースクリューを埋入し、スペースクローズ(隙間を閉じる工程)へと移行します。ただしこれはあくまでも平均的なケースであり、症例の難易度や治療の進み方によってタイミングは前後します。
実際の症例——11ヶ月で抜歯の隙間が閉じたケース
実際の症例をもとに、スペースクローズの流れを見ていきましょう。
上下のガタつきがあり、口元が出ている(口ゴボ)症状を持つ患者様の場合です。2021年6月に矯正を開始し、まずレベリングを行いました。

7月、9月、12月と来院を重ねながら歯を並べていき、

矯正開始から約半年後の12月にアンカースクリューを埋入しました。

アンカースクリュー埋入後、スペースクローズが本格的にスタートしました。翌年1月、3月、6月、8月、9月と確認を続けながら、2022年11月には抜歯の隙間がすべて閉じた状態になりました。アンカースクリュー埋入から隙間が閉じるまでにかかった期間は、おおよそ11ヶ月です。
歯の移動ペースは1ヶ月あたり0.8〜1mm程度が目安ですが、動きやすい方であれば1mmを超えることもあります。一方で、喫煙習慣がある方や年齢が高い方は歯の動きが緩やかになる傾向があり、同じ距離を移動するのにより長い時間がかかることがあります。
なお、このケースでは奥歯を完全に固定せず、わずかに前方へ動かすことを許容する「アンカレッジロス」を意図的に使いながら治療を進めていました。前歯と奥歯の両方がわずかずつ動くことで、スペースクローズのスピードを高めることができます。完全固定で前歯だけを動かすよりも隙間が埋まるのが早いため、症例によってはこの方法が選択されます。
「隙間が1年経っても閉じない」は要注意——ケース別の原因
アンカースクリューを埋入してから1年が経過しても隙間がほとんど閉じていない場合は、何らかの理由が潜んでいる可能性があります。
一つ考えられるのが、レベリングの段階で時間がかかっていたケースです。最初のガタつきを揃えるレベリングに1年半以上かかっていた場合、噛み合わせが複雑だったり、ガタつきが非常に強かったり、何らかの特殊な事情があったことが推測されます。こうした難症例ではスペースクローズにも想定以上の時間がかかることがあります。
また、歯の動きには個人差があるため、体質的に動きが緩やかな方は移動ペースが遅くなることも珍しくありません。大切なのは担当医と定期的にコミュニケーションを取り、治療の進捗と今後の見通しを共有し続けることです。「なぜ動きが遅いのか」「あとどれくらいかかるのか」を積極的に質問する姿勢が、長い治療期間を安心して乗り越えるための鍵になります。
難症例への応用——アンカースクリューが活躍するケース

アンカースクリューは出っ歯・口ゴボだけでなく、開咬・受け口(3級)・かみ合わせのズレなど、従来の矯正では難しかった難症例にも応用されています。
口ゴボや出っ歯の治療でアンカースクリューが使われることはよく知られるようになってきましたが、実はその応用範囲はさらに広く、さまざまな難しい症例に対してアイデア次第で活用できる可能性を秘めた装置です。ここでは柴山院長が実際に手がけた特殊なケースをご紹介します。
奥歯が噛んでいないケース(開咬)への応用——タクライダーEXとは

上下の奥歯が噛み合っていない「開咬」は、矯正治療の中でも対応が難しい症例の一つです。その中でも特に難しいのが、左右で奥歯の噛み合わせ状況が異なるケースです。
片側の奥歯は上下でしっかり噛めているのに、もう片側の奥歯は全く噛んでいない——こうした場合、噛めている側にまで余計な力をかけてしまうと、せっかく合っている噛み合わせが崩れてしまいます。つまり、片方の奥歯だけをピンポイントで動かさなければなりません。
通常の矯正装置だけではこの「片側だけを動かす」という制御が非常に難しいため、柴山院長はアンカースクリューと特殊な装置を組み合わせた独自の装置を考案しました。それが「タクライダーEX(エクスパンション)」です。
2本のアンカースクリューを上顎に埋入し、そこからしなやかに曲げることのできる装置を作製します。噛み合わせが合っていない側にのみ力をかけ、合っている側には力が伝わらないよう設計することで、片方の奥歯だけをコントロールして内側へ引き込むことが可能になります。「エクスパンション(拡大)」の考え方を応用した装置であることから、EXという名前が付けられています。
受け口(3級)への応用——下顎全体をブロックごと後退させる

上の歯より下の歯が前に出ている「受け口」、専門的には「3級(下顎前突)」と呼ばれる症状は、骨格的な要因が絡むことが多く、矯正治療だけでは改善が難しいケースも存在します。骨格のズレが大きい場合は外科矯正が選択されることもありますが、アンカースクリューを活用することで手術を回避できるケースがあります。
骨格的に抜歯が難しい受け口のケースでは、下顎全体を奥へ引き込むアプローチが有効です。この際に使われるのが、レトロモラーパッドと呼ばれる下顎の親知らず周辺の部位へのアンカースクリュー埋入です。この部分の骨は非常に硬く、アンカースクリューが安定しやすいとされています。
治療の流れとしては、まず上下に矯正装置を装着して歯並びを揃えます。その後、レトロモラーパッドに埋め込んだアンカースクリューから、下顎のワイヤー全体を覆うように固定した装置へスプリング(ばね)をかけます。このスプリングの力によって、下顎の歯列全体がブロックごと奥へ引き込まれていきます。
個々の歯を一本ずつ動かすのではなく、ブロック全体を後退させるというアプローチが、このケースでは非常に効果的です。実際にこの方法で治療を行い、上の歯に下の歯がしっかり乗る理想的なかみ合わせに改善した症例があります。手術なしでかみ合わせを整えたいという方にとって、アンカースクリューは大きな可能性を持つ選択肢です。
アニバーサリーデンタルギンザの出っ歯・口ゴボ矯正が選ばれる理由
出っ歯・口ゴボの矯正治療は、クリニックの技術力・症例数・対応できる治療の幅によって、仕上がりに大きな差が生まれます。銀座で3,000件以上の矯正実績を持つアニバーサリーデンタルギンザが選ばれる理由を、具体的にご説明します。
裏側矯正(WINシステム)との組み合わせが最大の強み
当院が出っ歯・口ゴボの治療で特に力を入れているのが、裏側矯正(WINシステム)とアンカースクリューの組み合わせです。
WINシステムは歯の裏側に装置を装着するため、外から一切見えません。接客業・営業職・キャビンアテンダント・モデル・タレントの方など、人前で笑顔を見せる機会が多い方が、矯正中であることを周囲に知られることなく治療を続けられます。当院にお越しになる患者様のほとんどが成人であり、仕事や日常生活を続けながら高い審美性を求める方々です。
裏側矯正は前歯を引き込む力のコントロールに優れており、口ゴボ・出っ歯のような前歯を大きく後退させる治療と非常に相性がよい装置です。加えてWINシステムは一人ひとりの歯の裏面の形状に合わせて完全オーダーメイドで製作されるため、歯へのダメージを最小限に抑えながら精密な治療が可能です。
口腔外科出身だからできる——アンカースクリューを含む総合治療
柴山院長は日本歯科大学卒業後、慶應義塾大学医学部歯科口腔外科に入局し、研修医時代には全研修医の中で最多となる150件の全身麻酔を担当した経歴を持ちます。口腔外科・麻酔科での訓練を積んできたからこそ、アンカースクリューの埋入をはじめとする外科的処置を安全かつ確実に行うことができます。
矯正専門医の中には外科処置を行わない方針の先生も多く、アンカースクリューを使いたくても対応できないクリニックが存在します。当院では矯正治療と口腔外科の両方に精通した院長が治療にあたるため、アンカースクリューが必要な難症例でも一貫して対応が可能です。
さらに当院は、矯正治療からセラミック・ホワイトニングまでのすべての審美歯科治療を総合的に提供できるクリニックです。矯正専門クリニックでは対応できない虫歯・歯周病の処置や審美修復治療も同院で完結できるため、複数のクリニックをかけもちする必要がありません。
累計矯正3,000件以上の実績——難症例にも対応できるノウハウ
開院当初から裏側矯正を積極的に推進してきた当院の矯正症例数は、累計3,000件以上に上ります。出っ歯・口ゴボはもちろん、開咬・受け口・ガミースマイルといった難症例を含む豊富な症例数が、確かな技術と経験の証明です。
特に当院にお越しになる患者様は成人が大半で、人前に出るお仕事をされている方も多く、審美的な要求水準が非常に高い傾向にあります。「仕事に支障をきたしたくない」「矯正していることを周りに知られたくない」「仕上がりの美しさにこだわりたい」——そうした高いニーズに長年応え続けてきた実績が当院の強みです。
銀座での相談はここから——無料カウンセリングのご案内
当院は東京・銀座1丁目から徒歩1分、銀座中央通りに位置する商業施設「ONE GINZA(旧:キラリトギンザ)」の10階にあります。銀座エリアからのアクセスが非常に便利で、ショッピングやランチのついでにお立ち寄りいただける立地です。
初回カウンセリング(所要時間約60分)では、現在の歯並びの状態を確認しながら、治療の方法・期間・費用について丁寧にご説明いたします。出っ歯・口ゴボでお悩みの方、矯正治療にアンカースクリューが必要と言われた方、裏側矯正が自分に合っているか知りたい方、どのような段階のご相談でもお気軽にお越しください。まずは一度、専門医と直接お話しいただくことをおすすめします。
まとめ
出っ歯・口ゴボを矯正で治すには、まず自分の症状が歯並び性なのか骨格性なのかを正しく見極めることが第一歩です。多くのケースでは抜歯+裏側ワイヤー矯正+アンカースクリューという組み合わせが有効であり、抜歯後の隙間が閉じるまでの期間は平均して約1年が目安となります。
アンカースクリューは固定源を骨に変えるための道具であり、それを使いこなす医師の技術力と経験が治療の質を決定づけます。また、アンカースクリューの埋入には口腔外科のバックグラウンドが必要であるため、対応できるクリニックを選ぶことが重要です。
治療期間・方法・費用はすべて個人差があり、一概には言えません。まずは専門医への相談で、自分の症状に合った最適な治療計画を立てることが、美しい横顔への確実な第一歩となります。
運営参考サイト一覧
「ドクターコラム」では信憑性と正確性のある情報をお届けするため、下記サイトを参考に記事を作成しています。
この記事を監修した医師
アニバーサリーデンタルギンザ
医療法人社団フェイス会 理事長
柴山 拓郎医師
